「自動運転」の時代だからこそ。私たちが「人によるエスコート」にこだわる理由
「離れて暮らす親御さんをお持ちのあなたへ」

普段の移動で、ご自身で運転したり、ご家族に送ってもらったりしている方も多いと思います。 今や車は一家に1台から「一人1台」の時代になりました。 情報伝達の方法も、固定電話からスマートフォンへと変わり、本当に便利な世の中になったと実感します。
情報伝達が爆速となった今、そのスピードゆえのストレスも増えました。
生活基盤も多種多様になり、核家族化が進んだことで、故郷にはご両親が単独で暮らしているという方も多いのではないでしょうか。
1. すべてが自動化・効率化される社会の光と影
世の中は「情報が高速化し、費用対効果が重視される」トレンドにあります。 機械化や自動化によって効率は飛躍的に高まりました。 これら技術革新により情報処理が早く通信速度があがったため、当社配車システムも飛躍的に向上しました。 少子高齢化による労働人口の減少が進む未来を考えれば、こうした機械化されたサービスを導入しなければ、社会のインフラが回らなくなるのも事実です。
しかし、時代が進むと同時に私たちも確実に年を取ります。
いつか体調が優れなくなり、足が痛くても買い物や病院に行かなければならない日がやってくるのです。
そんな時、「電話をすれば自動運転タクシーがすぐに迎えに来てくれる」未来が来るかもしれません。 人間が運転するわけではないため人手不足も関係なく、たくさんの車が運行していることでしょう。
ただ、フッと考えてみてください。
病院に行くために玄関までなかなか出られない時、病院の受付で一人では心細い時 ―― 本当に求められるのは、こうした「対人の温かいサービス」ではないでしょうか。
自動運転の機械は運転が得意かもしれません。 しかし、事前決済で支払いは簡単でも、タクシー到着後にご自身で荷物を積み込み、誰もいない車に一人で乗り込む……。 この「当たり前のことが当たり前にできない超高齢化社会」が目の前に迫っています。
タクシーは、ただ移動するだけの乗り物ではない時代が来ていると私達は考えます。
これからは、「ドアtoドアのA-B間輸送タクシー」という従来の形と、「自宅の中から目的地の中まで寄り添う介助するタクシー」へと用途が分かれていくはずです。 当然、同一運賃ではなく「介助を伴う付加価値に対する対価」をプラスしていただくサービスです。 これこそが、人でなければ提供できない価値です。
2. 日常の配車の中で見つめる「現実」
私たちが普段の配車業務を行う中で、胸が締め付けられるような現実に出会います。
高齢化に伴い、認知症を患う方が増えています。
1週間に数度、お買い物にタクシーをご利用になるお客様が、ドライバーに「〇条〇丁目〇番地の□□さんのところへ行ってください」と告げます。 お馴染みのお客様であれば「今日はお買い物じゃないんですねぇ」とたわいもない会話が交わされるでしょう。
タクシーは、お客様の行きたい場所にお送りして運賃をいただく仕事です。 「〇〇に行ってください」と言われれば、間違いなくその場所に向かいます。
しかしその昔の記憶「□□さんのご自宅」が現在では存在しない場所であることも少なくありません。
目的地に到着し、目標物が確認できないドライバーは、そこではじめて本社配車センターへ「場所の問い合わせ」を行います。 本社でも懸命に調べますが分からない場合、お客様と再度確認しながら探し回ることになります。
実態のない場所に、古い記憶を頼りに行こうとしているため、お客様の目的は達成されません。 タクシー料金がかかっても行きたいその場所は、お客様にとって昔の良い思い出の場所なのでしょう。 どんどんメーターは上がり続け、1時間ほど走り回った末に諦めてご自宅へ戻る…このようなパターンが多いです。 そして、いつものように運賃をお支払いいただきます。 私達も仕事です…料金メーターによる運賃はいただかねばなりません。
昔の記憶がよみがえり、存在しない目的地を目指し、結果的には「タクシーでドライブしただけ」となってしまうのです。 ご本人のお気持ちはそれでもご満足していただけるかもしれません。 でもご家族の立場から考えると「タクシーが連れまわし料金を上げた」と言われかねない状態です。 本当の意味で困るのはご本人ではなく、ご家族なのかも知れません。
外見からは、認知症であるかどうかは判断できません。 私達が「目的地に向かって走る」のは仕事ですが、そのままではお客様が本当に困ってしまいます。 もし、目標物のない場所で一人下車してしまい、そのまま行方も分からず徘徊にでもなってしまったら……それは大変な事態です。
3. 「おびたく」が取り組む見守りと安心の仕組み
当配車センターでは、こうした過去の配車情報を集約し、同じような兆候が起きると運行前に予防対策を行います。 とは言え、全てを防ぐことはできないかもしれません。 でも当配車センターでは、同じ志を持ったオペレーターが日々情報共有をしながら緊急事態に備えております。 オペレーターも毎日担当者が変わります。 お客様の危機的状況を感じた案件はオペレーターと情報共有をするのです。 人だからこそちょっとした思いやりで防げることもあるのだと思います。 お客様のご意向はもちろん尊重しますが、本当に困ってしまう事態を防ぎたい。 その一心です。

その取り組みの一つが、「おびたくメンバーズカード」です。
会員カードをお財布に入れておいていただき、ご自宅が分からなくなった際でも、おびたく(帯広ハイヤー)にご連絡いただければ、登録住所へ確実にお送りすることが可能となります。 この仕組みによって、お出かけ先でご自宅が分からなくなった多くのお客様を無事にお送りして参りました。
健常な方には、こうした現実が起きていることはなかなか想像がつかないかも知れません。 しかし、これが今、私達の街で現実に起きていることです。

いつものスーパーでお買い物をした帰り、「自分の住所が思い出せなくなり、帰れなくなった」――もし、それがご自身に起きたら…。 もし、故郷にいるお母さまの身に起きたら…。 そんな現実があることを知っているだけで、少し心構えや安心感が変わるのではないでしょうか。
結びに…
タクシーの自動化は間違いなく進むでしょう。 むしろドライバー不足で廃業しなければならないぐらいならば、自動運転が増えてタクシーという乗り物は必ず存続させるべきと思います。
しかし「人間の感情」は自動化できません。
人がエスコートするタクシーだからこそできる有料サービスが、これからの時代にこそ求められるものと確信しております。
ただ移動するだけの手段ではなく、「安心してお出かけできる乗り物」を目指して、帯広ハイヤーはこれからも歩み続けます。
■ ご予約・お問合せ
帯広ハイヤー配車センター:0155-33-8844
おびたく介護ステーション:0155-58-1000
おびたくメンバーズカードの詳細はこちら (公式ホームページ)




